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自分自身に耳を澄ます

2017年7月11日

イントロダクションワークショップシリーズの1回目のタイトルは、「自分自身に耳を澄ます」。この日の主なテーマとして考えていたのは、注意を傾けることと感じることの大切さ、人間の活動の要素である、思考、感情、感覚、動きのことと、フェルデンクライス的な自己改革のつながり、というようなことでした。

実際、フェルデンクライスのレッスンで大切なことは、「注意を傾けること」、「新しいことを試みる」、「行動に自分の全体が関わるようにする」ことなのだと、ワークショップの時には話しています。レッスンを行うことで何を実現したいのかと聞かれれば、たいていの場合は、自分を良くしたい、願望を叶えたいと答えるでしょうし、生徒が口に出す願望と、レッスンでもたらされるはずの新しい感覚体験をつなげていくのがプラクティショナーの仕事です。

このテーマはどちらかというと当たり前すぎると思っていたのですが、実際にワークショップで話し始めてみると、意外に感覚に注意を向け続けるのは通常の人間の行動とは違い、簡単ではないのだと分かりました。そうですよね~、思考や感情の方が前面に出ていることもよくあるのです。「自分」って何だろう?となるのです。

そしてレッスンですが、シンプルにテーマから考えついてスキャンのレッスンをしようと計画して始めてはみたのですが、いまいちしっくりこないところがある、、。私の頭の中で、スキャンは結構難しいのかもしれない、とか、もっと複雑にして面白くしたいとか、もっと徹底的にシンプルにしたい、とか様々な思考が主張し始めて、新規参加者の方たちへの気遣いと交錯して騒がしくなりました。

その後参加者の中に、仰向けに寝ていることが苦痛だという方がいて、痛みとは一体何なのか、快適さとは何かというような際限なく広がる話に少しだけ踏み込み、グループレッスンの限界に遭遇してしまった感もあります。もっと皆が勝手なことをやっているようなレッスンにしたいものだ、とかも思うし、個人レッスンの方が容易いのに、とも思いました。

2つ目にやったレッスンは、Primitive Movement of legのヴァリエーションで、脚の動きが骨盤、胸につながるのを感じてもらいたいという期待で選んだのですが、この動きを行うために前もって必要な(!)準備は何だったのかを考え、背部が引っ張られている様子が「楽ではない」のを観察していました。

最後に、友人にフェルデンクライスの素晴らしさを理解してもらいたくても、なかなか分かってもらえないという発言があり、皆さんが頷いていたのは大変嬉しい光景でした。私たちは誰でも失敗を繰り返して発見と学習のプロセスをたどるのですし、自分にも他人にも優しくして、いつも希望を持っていたいものです。