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フェルデンクライスinシンガポール

2018年1月5日

昨年10月のことなので、すでに2ヶ月ほど経ってしまいましたが、、、。

尊敬するフェルデンクライストレーナーであり、親友でもあるステファニーがシンガポールでワークショップを指導することになり、応援に駆けつけてまいりました。

シンガポール行きは2年ぶりでしたが、かなりのスピードで変化している、小さくてエネルギーのある国だと実感しました。到着したのは新規にオープンしたチャンギ空港の第4ターミナルでしたが、スペースが大きくて驚き、空港の近くに建築中の巨大ショッピングセンターについてタクシーの運転手に尋ねると、「もう新しいのを建てる土地なんか無いくらいだ、、」と言われ納得。テクノロジーが作り出す便利さについて言えば、日本よりずっと進んでいるように感じられます。以前からですが、未来都市のような雰囲気がさらに強くなったようで、人々が急いでいる様子からは、変化が早いと、立ち止まって後ろを振り返る必要はないのだろうという印象を覚えます。

世界でフェルデンクライスメソッドが比較的広く行われているのは、いわゆる欧米諸国とこのメソッドが生まれたイスラエルで、他には中南米、アジアに広がってきているのが現状です。そして、アジアというと、まずはすでにプラクティショナーが数百人いると言われる我が日本。他のアジア諸国では、台湾や韓国、中国が養成コースの開催事業に参入してきている中、シンガポールはこれからフェルデンクライスが広がっていく国として大いに期待できるのではないかと思えます。フェルデンクライス・ジャパンが現在開催中のTokyo3(2014〜18)にはシンガポールから2人の生徒が参加しているし、前期のTokyo2(2011〜14)からは3人のプラクティショナーが卒業しています。フェルデンクライスに興味を持っている人も多いのです。

今回(2017年10月14,15日)シンガポールで開催されたステファニー・スピンクによるワークショップは、シンガポールにおけるフェルデンクライスメソッドの将来にとって大いに期待する企画でした。企画は、Tokyo2の卒業生DawnとTokyo3に在学するトレーニーKaren。彼女たちは、主にピラティスのセッションを提供するスタジオを運営しながら、フェルデンクライスの普及にも力を入れています。そして、言うまでもなくステファニーはTokyo3の教育監督で、日本での指導歴も豊富で世界中で活躍している気鋭のトレーナーです。私にとっても意味の大きいこの企画のために、応援に駆けつけたのでした!

ワークショップ前日の10/13には、フェルデンクライスの個人レッスンを希望する方々のために、ステファニーと私が丸一日Chuan Studio(DawnとKarenのスタジオ)でFIレッスンを行いました。FIレッスンは個人仕様なので、予測不可能で最高にワクワクする時間です。笑いあり、涙あり、と言う表現ができる位です。この日は初めてレッスンを受ける方が多かったこともあり、内容が濃い1日でした。

ワークショップのタイトルは「Surviving in a Culture of Chairs(椅子文化で生き延びるには)」でしたが、大変ユニークなワークショップでした。フェルデンクライスメソッドの紹介でありながら、レッスンは複雑な動きを多く含み、股関節、骨盤を中心に体全体をどのようにオーガナイズすることで「座る」と言うアクティブな姿勢を自由に自発的に楽しむことができるかを、ATMレッスンとレクチャーを通して学びました。参加者の皆さんも大変満足していたようです。ワークショップの様子は写真で見ていただけますが、動きの多い、刺激的なワークショップだったのが伝わるかと思います。

 

シンガポールは小さくてエキセントリックな国で、この国がどのように変わって行くのだろうかと思うと強い興味を覚えます。何か、過去・現在・未来の時間の流れとスペースが全て圧縮されているように感じられるからでしょうか?生粋の都会人間である私にとっては、刺激の多い人工的な街は馴染みやすく、インド系、マレー系、中国系他が混在する多様性は日本と違い魅力的でもあります。到着翌日の貴重な自由時間には、リトルインディアに真っ先に行きました。

日本人以上に忙しい日常を過ごしているハイパーで戦闘モードのシンガポール人には筋トレ&ストレッチ系が好まれているようですが、気づきをツールとした「脳&体トレーニング」であるフェルデンクライスは自己開発に興味がある彼らにとっては有効性が理解しやすくて、これから広まっていくと思われます。

この国でフェルデンクライスを実践する人が一人でも増えて、私たちとの繋がりが強くなっていくことを願っています。

(2017年12月記)