養成コースのオンライン授業あれこれ:今後の見通しなど
自分の能力を最大限発揮することができるようになりたい。どうすれば持っている力をイメージ通りに出すことができるのか、、、。
誰もがそういう思いを持つのではないでしょうか?
体の動きをツールとして用い、探索と発見を通してそれを学ぶのがフェルデンクライスメソッドです。
フェルデンクライスに興味を持ち、深く学びたいと希望するのだったら4年間のプラクティショナー養成コースFPTP Tokyoに入学することがお勧めです。なぜなら、養成コースほどインテンシブな体験ができるものは他に無いからです。養成コースでは、何百ものATMレッスン(グループで行う動きのレッスン)を実践し、FIレッスン(プライベートレッスン)とは何かを学び、観察や考察の方法を体験を通して学習することができます。
プラクティショナーという仕事や養成コースに興味を持たれる方からメールや電話で、FPTP Tokyo 次期コースの開催についてお問い合わせをいただくことも多く、現在の状況をお知らせしておくためにこの文を書くことにしました。
<現状は、、>
FPTPは4年制で、毎年3回のセグメントに分けて開催されます。フェルデンクライス・ジャパンにより現在開催中の第4期Tokyo 4は、2018年8月にスタートして、当初の予定では2022年5月に終了することになっていたのですが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、2020年春(2年目の最終セグメント)から対面授業の開催を休止せざるを得なくなりました。動き、感じ、考え、リアルな人間そのものについて学ぶのがこのメソッドの本質であり本来的な方法です。学習の継続性を維持するためにオンラインに移行しての授業を開催しながらも、最善の形で教育が行えないため主催者と教師陣は大いに悩み、試行錯誤を続けてきました。そして延期やセグメント分割など予定変更を繰り返し、現在は2022年4月から対面授業を再開し、2023年5月にコース終了という計画で進めています。(オミクロン株の感染が早く収束しますように!)ここまでで2年間で1年分の授業日数(40日間)をオンライン授業で行なったことになります。そして、次期Tokyo5は2023年8月よりスタートする予定です。詳細は近日中にお知らせいたします。
<生徒の反応>
オンラインでの授業についての生徒の皆さんの反応ですが、何しろZoomは初めてという方が多く、パソコンも普段は使わない方もいるので当初は環境に順応するのに少し時間がかかりました。「できない!わからない!繋がらない!」という不安感がオンラインでもひしひしと感じられる。こちらも個別の接続トラブルなどの対応にかなりエネルギーを取られたのですが、本当に嬉しかったことに皆さんが涙ぐましい努力(!)をしてくださり、短期間でスムーズにできるようになって状況にも慣れてくれました。問題は主にwifi回線などのトラブルでしたが生徒の皆さんの努力と卒業生のスタッフのサポートもあって速やかに解決し、2回目以降は大変順調に進行しています。最初はオンラインは嫌だという反応もあったのですが、その後急速にそして劇的に変化して今では皆さんオンラインがすっかり好きになったようです。
<クラスでは>
フェルデンクライスの養成コースの内容は、主にATMレッスン、ディスカッション、レクチャー、デモ、FIの練習などですが、ATMレッスンはオンラインで何も問題なく、ディスカッションもグループに別れて行いその後全員で意見交換すれば良いのでOK、レクチャー、デモもわかりやすく、パワポなどを使用したプレゼンはオンライン向けで、むしろオンラインになったことで改善されたと言えるかもしれなません。唯一、そして最大の問題がFIの指導と練習です。こればかりは限界があるようですが、工夫しながら行なっています。生徒が各自家族や友人をモデルにして実践するように予め計画し、観察する側が見やすいようにミーティングルームに分かれてプラクティスしてもらうというのが良いようです。そんなこんなで運営や進行のスキルは回を重ねる毎に良くなり、参加者の方には不満はほぼなくなったように思います。ただ指導者とスタッフにとってはパソコン画面を集中して見続けることになり、消耗度が高いようで、これは解決できていません(笑)。
<メリット、デメリット>
電車を利用した通学通勤も、密になるリスクもないのが最大のメリットです。一方で、「これで本当に分かったと言えるのだろうか?」という疑問が常につきまといます。見たり、聞いたり、触れたりする、感覚体験そのものを題材としているのですから、はっきりした違いがあるのは明らかなのです。
ATMについてはオンラインでも十分に学べるのですが、FIレッスンは大変難しいでしょう。言葉を使っての交流はできても、感覚を通しての交流が制限されているのですから。家族などのボランティアを招いての実践授業は可能で、メリットもありますが、本来は生徒同士でのプラクティスとそばにいる指導者のフィードバックが必須です。
<今後の見通し>
とにかく、早く対面授業を再開したいと心から願っています。そして、次期Tokyo5は2023年8月スタートの予定です。
コロナ渦という事態になり、養成コースの継続の可能性と是非が問われているようにも思いましたが、オンラインでのATMレッスンなどの限定された学びでも得ることができる感動的な感覚体験の素晴らしさを実感することが多く、なんとかして養成コースも、通常のプラクティスも前に進めたいと強く思います。やはり私たち現代人にとってフェルデンクライスはとても大事なもの!こんなことで負けてはいられません。
早く生徒の皆さんと同じ空間で、生きている感覚を共有しながら学びたいです! (かさみ康子記)